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写真集


奥山散歩  学芸学部六期(昭和三三卒)  中井澄明

 八月の終わり近く、暑くならない午前中に、久しぶりに奥山を訪れた。三年坂を越えて、たしかこの辺りは岡山幼稚園のあったところと思いながら近大美術館への階段を上った。附属小学校のあったところは、近代的なコンクリート作りの美術館と博物館になり、かつての面影を全く残していない。時鐘堂から南に続く砂丘には、根上がり松が何本もあったのだが、今は一本残らず枯れ果ててしまっている。
 県庁前の交差点まで戻り、ゆるやかな坂道をかつての和大教育学部の正門に向かう。この道は拡張し、車道と歩道に分離して整備されている。
 大学が移転するときに残され、ただ一つ昔を偲ぶことの出来る正門が色鮮やかに立っている。附属校の整備の時、この正門は補修されたのであろう。朱色の目立つ門柱になっている。正門の向こうにあった師範学校以来の建物は全く姿を消してしまっている。





 正門を入ったところで、警備員の方に紀学同窓会の者と名乗って入校の許可を得た。そこから左正面に附属小学校棟が聳えている。博物館との境界に沿って運動場に抜ける坂道を上り運動場に出る。







 広い運動場だ。かつて大学の建物やプール、テニスコート、バレーコート、音楽教室のあったあたりまでが小学校の運動場。根上がり松を境として南側が附属中学校の運動場となっている。
 この広い運動場の真ん中にただ一本根上がり松が残っている。たしか音楽教室手前あたりにあったものと思う。県が天然記念物として指定している根上がり松群だが、次々とマツクイムシ等によって枯死し、今はこの一本だけ生きながらえているのである。





この根上がり松を保護するため紀学同窓会は樹木医の診断を受け消毒や若返りの手当てをしたり、枝が折れないように支え棒をつけたりしている。根上がり松を守る事は、紀学同窓会の大きな事業の一つになっている。
 立ち入らないように柵で囲っているが雑木草が茂って根上がり部分は覗き込まないと分からなくなっている。
見上げると青々としげった枝は、元気いっぱいのようだ。安心して中学校の方に歩を進めようとして目を移すと和歌山城の天守閣をくっきりと望む事ができた。




 小学校と中学校の間の渡り廊下を横切って中学校の玄関前に出る。この辺りは昔師範学校の寄宿舎があり大学時代は教官の研究室のあったところかと思うのだが。
 元附属中学校跡は、駐車場や駐輪場となっている。一巡して汗だくになって、奥山の散歩を終えた。

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